2022年3月14日月曜日

教室はまちがうところだ

 



今日は

小学校6年生、最後の授業です。



明日は卒業式です。



どんな6年間だったでしょう。



有意義な

学校生活だったでしょうか?



楽しい授業だったでしょうか?



「教室はまちがうところだ」

と言う心に響く詩があります。



この詩は静岡県の

元小中学校の教師の

蒔田晋治さんが書いた詩です。



『教室はまちがうところだ』

  まきた しんじ(蒔田晋治)



教室はまちがうところだ

みんなどしどし手を上げて

まちがった意見を

言おうじゃないか

まちがった答えを

言おうじゃないか


まちがうことを

おそれちゃいけない

まちがったものを

ワラっちゃいけない

まちがった意見を

まちがった答えを

ああじゃあないか

こうじゃあないかと

みんなで出しあい

言い合うなかで

ほんとのものを

見つけていくのだ

そうして

みんなで伸びていくのだ


いつも正しくまちがいのない

答えをしなくちゃ

ならんと思って

そういうとこだと

思っているから

まちがうことが

こわくてこわくて

手も上げないで小さくなって

黙りこくって時間がすぎる


しかたがないから

先生だけが勝手にしやべって

生徒はうわのそら

それじゃあちっとも

伸びてはいけない


神様でさえまちがう世のなか

ましてこれから人間になろうと

している僕らがまちがったって

なにがおかしい

あたりまえじゃないか


うつむきうつむき

そうっと上げた手

はじめて上げた手

先生がさした

どきりと胸が大きく鳴って

どぎっどきっと体が燃えて

立ったとたんに忘れてしまった

なんだかぼそぼそ

しゃべったけれども

なにを言ったか

ちんぷんかんぷん

私はことりと座ってしまった


体がすうっと涼しくなって

ああ言やあよかった

こう言やあよかった

あとでいいこと

浮かんでくるのに


それでいいのだ

いくどもいくども

おんなじことを

くりかえすうちに

それから

だんだんどきりがやんで

言いたいことが言えてくるのだ


はじめからうまいこと

言えるはずないんだ

はじめから答えが

当たるはずないんだ


なんども

なんども言ってるうちに

まちがううちに

言いたいことの

半分くらいは

どうやらこうやら

言えてくるのだ

そうして

たまには答えも当たる


まちがいだらけの

僕らの教室

おそれちゃいけない

ワラッちゃいけない

安心して手を上げろ

安心してまがえや


まちがったって

ワラッたり

ばかにしたりおこったり

そんなものはおりゃあせん


まちがったって

誰かがよ

なおしてくれるし

教えてくれる

困ったときには

先生がない知恵

しぼって教えるで

そんな教室作ろうやあ


おまえへんだと

言われたって

あんたちがうと

言われたって

そう思うだからしょうがない

だれかが

かりにもワラッたら

まちがうことがなぜわるい

まちがってる

ことわかればよ

人が言おうが言うまいが

おらあ自分であらためる

わからなけりゃあ

そのかわり

誰が言おうとこずこうと

おらあ根性曲げねえだ


そんな教室作ろうやあ



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